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意味記憶とは?|言葉は知っているのに思い出せない時に考えたいこと

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【高次脳機能障害シリーズ】意味記憶とは?

【高次脳機能障害シリーズ】意味記憶とは?

2026/06/17

【解説】知識ゼロからの高次脳機能障害20

意味記憶とは?|言葉は知っているのに思い出せない時に考えたいこと

はじめに

「あれ、あの人の名前なんだっけ」
「ほら、あれを取って」
「言葉は分かるのに、名前が出てこない」

このような困りごとは、誰にでも起こることがあります。

 

しかし、脳の病気やけがの後に、言葉や知識を思い出すことが難しくなる場合があります。

記憶には、自分が体験した出来事だけでなく、言葉や物の名前、知識に関する記憶もあります。

これを、意味記憶と呼びます。

 

この記事では、意味記憶について、健忘失語との違いにも触れながら解説します。

意味記憶とは?

意味記憶とは、言葉の意味や知識に関する記憶です。

例えば、

  • りんごは果物である
  • 犬は動物である
  • 東京は日本の都市である
  • コップは飲み物を入れる道具である
  • 家族や知人の名前
  • 物の名前
  • 職業や地域の知識

などです。

 

エピソード記憶が「自分が体験した出来事」だとすると、
意味記憶は「知識の記憶」と考えると分かりやすいです。

 

疑似体験|辞書はあるのに検索できない

意味記憶の困りごとは、「頭の中に辞書はあるのに、検索がうまくいかない」ような感覚に近いかもしれません。

言葉を知っている。  
見れば分かる。  
説明されれば分かる。

でも、自分から名前を出そうとすると出てこない。

「あれ」「それ」「あの人」という表現が増えることがあります。

生活で起こりやすい困りごと

意味記憶や言葉の検索に困りごとがあると、生活の中で次のようなことが起こります。

  • 人の名前が出てこない
  • 物の名前が出てこない
  • 地名や施設名が出てこない
  • 言いたいことが遠回しになる
  • 「あれ」「これ」が増える
  • 会話中に言葉を探して止まる

 

家族から見ると、

「分かっているのに言えないのかな」
「本当に分かっていないのかな」

と迷うことがあります。

実際には、言葉の意味が分かっている場合もあれば、意味そのものが曖昧になっている場合もあります。状態には個人差があります。

健忘失語との違い

意味記憶の困りごとと似て見えるものに、健忘失語があります。

健忘失語では、物の使い方や意味は分かっているのに、名前だけが出てこないことがあります。

 

例えば、時計を見て、それが何か分かっている。  
使い方も分かっている。  
でも「時計」という言葉が出てこない。

 

この場合、意味が失われているというより、言葉を取り出す過程がうまくいっていないことがあります。

一方で、意味記憶の障害では、言葉の意味や知識そのものが曖昧になることが多いのです。

 

ただし、実際の生活では見分けが難しいこともあります。

言葉が出にくいからといって、すべてを記憶障害だけで説明できるわけではありません。失語症が関係していることもあります。

【解説】知識ゼロからの高次脳機能障害9

健忘失語とは?「分かっているのに名前が出ない」失語症をわかりやすく解説 -失語症 健忘失語(失名詞失語)編-

【Note】「言葉が出ない」と「覚えていない」は違うことがあります

家族が誤解しやすいのは、
「名前が出ない」=「覚えていない」
と考えてしまうことです。

 

しかし、名前が出ないからといって、その人や物をまったく分かっていないとは限りません。

 

例えば、

「あの人、よく来てくれる人」
「娘の子ども」
「いつも笑っている人」

と説明できる場合があります。

 

名前というラベルは出ないけれど、関係性や印象は残っていることがあります。

もちろん、状態によっては意味や関係性そのものが分かりにくくなる場合もあります。

大切なのは、決めつけずに、どこまで分かっているかを丁寧に見ることです。

家族ができる関わり方

意味記憶や言葉の検索に困りごとがある場合は、急かさないことが大切です。

  • 少し待つ
  • 選択肢を出す
  • 写真を見せる
  • 実物を見せる
  • 名前よりも意味が伝わればよい場面を作る
  • 言い間違いを毎回強く訂正しない

などが役立つことがあります。

 

例えば、
「誰のこと?」と問い詰めるより、
「〇〇さんのことですか?」「この写真の人ですか?」
と手がかりを出す方が話しやすい場合があります。

まとめ

意味記憶とは、言葉の意味や知識に関する記憶です。

人の名前が出ない。  
物の名前が出ない。  
「あれ」「これ」が増える。  
言葉を探すのに時間がかかる。

こうした困りごとが見られることがあります。

 

ただし、言葉が出ないからといって、すべてを覚えていないとは限りません。

健忘失語のように、意味は分かっているけれど言葉を取り出しにくい状態もあります。

 

大切なのは、

  • 急かさない
  • 名前が出なくても意味が伝わる方法を探す
  • 写真や選択肢を使う
  • 失語症との違いも考える
  • 決めつけずに状態を見る

ことです。

 

「言葉が出ない」背景には、記憶、言語、注意など、複数の要素が関係していることがあります。

本人の困りごとを責めるのではなく、伝わる方法を一緒に探すことが大切です。

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