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記憶障害と認知症の違い|高次脳機能障害との関係をわかりやすく解説

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【高次脳機能障害シリーズ】記憶障害(高次脳機能障害)と認知症の違い

【高次脳機能障害シリーズ】記憶障害(高次脳機能障害)と認知症の違い

2026/06/13

【解説】知識ゼロからの高次脳機能障害16

記憶障害と認知症の違い|高次脳機能障害との関係をわかりやすく解説

はじめに

「最近、同じことを何度も聞く」
「病院で説明されたことを忘れてしまう」
「これって認知症ですか?」

記憶の困りごとが出てくると、ご家族はまず認知症を心配されることが多いと思います。

 

確かに、認知症でも記憶障害は見られます。

 

一方で、脳卒中や頭部外傷などの後に起こる高次脳機能障害でも、記憶の困りごとが見られることがあります。

この記事では、記憶障害と認知症の違いについて、断定ではなく“見分ける時の視点”として整理します。

記憶障害=認知症とは限りません

まず大切なのは、記憶障害があるからといって、必ず認知症とは限らないということです。

 

記憶障害は、さまざまな原因で起こります。

例えば、

  • 脳卒中
  • 頭部外傷
  • 脳炎
  • 低酸素脳症
  • 脳腫瘍
  • 認知症
  • 薬や体調不良の影響

などです。

 

そのため、「物忘れがある=認知症」とすぐに決めつけるのではなく、発症の経過や他の症状も含めて考える必要があります。

高次脳機能障害による記憶障害

高次脳機能障害は、脳に損傷が起きた後に、記憶、注意、言語、遂行機能、社会的行動などに困りごとが出る状態です。

記憶障害が中心に見える方もいれば、注意障害や失語症、半側空間無視などが一緒に見られる方もいます。

 

  • 脳卒中の後から急に予定を忘れやすくなった
  • 事故後から新しいことが覚えにくくなった
  • 入院前後の記憶が抜けている
  • 病院説明を覚えられなくなった

という場合、高次脳機能障害による記憶障害が関係していることがあります。

認知症との違いを考える視点

認知症と高次脳機能障害は、生活上似て見えることがあります。

ただし、考える時の視点はいくつかあります。

 

発症の経過

高次脳機能障害では、脳卒中や頭部外傷などをきっかけに、ある時期から症状がはっきり見られるようになることが多いです。

認知症では、少しずつ進行して気づかれることが多いですが、病気の種類によって経過はさまざまです。

 

症状の出方

高次脳機能障害では、記憶だけでなく、注意、言語、空間認識、遂行機能など、脳損傷の場所に応じた症状が見られることがあります。

認知症では、記憶障害に加えて、判断力、見当識、生活動作、性格変化など、脳の機能全体が少しずつ影響してくることがあります。

 

得意不得意

高次脳機能障害では、できることとできないことの差が大きく見える場合があります。

例えば、昔の仕事の話は詳しくできるのに、今日の予定は忘れることがあります。

認知症でも得意不得意はありますが、生活全体への影響が徐々に広がることがあります。

 

自覚

高次脳機能障害では、自分の困りごとに気づきにくい病識低下が見られる場合もあります。

一方で、記憶障害を自覚して強い不安を抱える方もいます。

認知症でも、認知症初期で自覚がある方もいれば、認知症が進み自覚が乏しい方もいます。

つまり、自覚の有無だけで判断することはできません。

【Note】医療従事者は高次脳機能障害における記憶障害と認知症をどう切り分けているのか

認知症は、記憶だけでなく判断力・見当識・生活動作など、認知機能が全般的に、そして徐々に低下していく状態です。

 

一方、高次脳機能障害による記憶障害は、脳卒中や頭部外傷などをきっかけに起こり、記憶など特定の機能が障害される状態です。また、進行性ではない点も認知症とは異なります。ただし、症状が完全に元に戻るとは限らず、回復の程度には個人差があります。

なお、複数の高次脳機能障害が合併することはあります。

 

【Note】両方を併発する場合もあります

高次脳機能障害と認知症は、どちらか一方だけとは限りません。

脳卒中後に高次脳機能障害があり、その後、加齢や病気によって認知症の影響が加わる場合もあります。

また、もともと軽い認知症があり、脳卒中をきっかけに症状が目立つようになることもあります。

 

そのため、

「これは認知症ではない」
「これは高次脳機能障害だけ」

と家族だけで断定するのは難しいことがあります。

 

気になる場合は、医師や専門職に相談しながら整理することが大切です。

家族が見るべきポイント

ご家族が医師や支援者に相談する時は、次のような情報が役立ちます。

 

  • いつ頃から変化が出たか
  • 脳卒中や事故などのきっかけがあったか
  • 少しずつ進んでいるのか
  • 急に変わったのか
  • 何を忘れるのか
  • どんな場面で困るのか
  • できることは何か
  • 家族がどのくらい支援しているか

 

「物忘れがあります」だけではなく、生活場面で何が起きているかを伝えることが大切です。

まとめ

記憶障害があるからといって、必ず認知症とは限りません。

高次脳機能障害による記憶障害の場合もありますし、認知症が関係している場合もあります。  
また、両方の影響が重なることもあります。

 

大切なのは、名前を決めつけることではなく、

  • いつから始まったのか
  • どんな場面で困っているのか
  • 何ができて、何が難しいのか
  • 生活にどのくらい影響しているのか

を整理することです。

 

記憶障害も認知症も、ご本人と家族だけで抱え込むには負担が大きいことがあります。

気になる変化がある時は、早めに専門職へ相談することが大切です。

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