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作話とは?|事実と違う話をする時に家族が知っておきたいこと

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【高次脳機能障害シリーズ】作話とは?

【高次脳機能障害シリーズ】作話とは?

2026/06/12

【解説】知識ゼロからの高次脳機能障害15

作話とは?|事実と違う話をする時に家族が知っておきたいこと
-嘘との違い・認知症や高次脳機能障害との関係を解説-

はじめに

「昨日、東京に行ってきたんだ」
でも実際には、昨日はずっと自宅にいた。

 

「さっき友人が来た」
でも誰も来ていない。

 

このように、事実とは違う話を本人が本気で話しているように見えることがあります。

 

ご家族は戸惑います。

「嘘をついているの?」
「作り話をしているの?」
「わざとなの?」

 

このような状態は、作話と呼ばれます。

ただし、作話と言う状態は“意図的な嘘”ではありません。

 

この記事では、作話とは何か、高次脳機能障害や認知症との関係、家族の接し方について解説します。

作話とは?

作話とは、実際とは異なる内容を、本人が本当のことのように話す状態です。

 

例えば、

  • 行っていない場所へ行ったと言う
  • 会っていない人に会ったと言う
  • 退院したと思っている
  • 仕事に行く予定だと話す
  • 実際とは違う出来事を自然に説明する

などです。

 

ここで大切なのは、大半の場合は意図的にだまそうとしておらず、本人自身が間違いないと確信していることです。

本人の中では、その話が自然につながっているように感じられている場合があります。
 

疑似体験|夢の内容を本当だと思い込む感覚

記憶障害をイメージするために、パソコンやスマホのメモ帳を思い浮かべてみてください。

大切な予定を書いた。  
買い物リストも入力した。  
病院で言われたこともメモした。

でも、保存したつもりで画面を閉じたら、次に開いた時には消えている。

「書いたはずなのに残っていない」

前向性健忘などでは、このように“新しい記憶が保存されにくい”ような状態になることがあります。

もちろん実際の脳はパソコンとは違いますが、ご本人の生活では、

「聞いたはずなのに残っていない」
「覚えようとしたのに残らない」

という困りごとが起きていることがあります。

 

【Note】本人は本気で話していることがあります

作話で大切なのは、本人が本気で話している場合があるということです。

ご家族から見ると、事実と違うことは明らかです。

 

だから、

「違うでしょ」
「そんなことしてないでしょ」
「嘘をつかないで」

と言いたくなることがあります。

 

しかし、本人にとっては、その話が本当のように感じられている場合があります。

強く否定されると、本人は混乱したり、怒ったり、不安になったりすることがあります。

 

なぜ作話が起こるのか

記憶の穴や混乱を、脳が自然に埋めてつじつまを合わせようとすることで起こると考えられています。

また、記憶の確認や修正に関わる脳の働きが影響する場合もあります。

 

高次脳機能障害では、記憶障害や注意障害、遂行機能障害などが関係して、出来事のつながりが曖昧になることがあります。

 

その結果、

「ここにいる理由」
「さっき何をしていたか」
「これから何をするか」

を説明しようとして、事実と違う内容が出てくることがあります。

ただし、作話の原因や出方には個人差があります。

高次脳機能障害の作話

高次脳機能障害では、事故や脳卒中などの後に、記憶の抜けや状況把握の難しさが出ることがあります。

その中で、本人が記憶の穴を埋めるように話します。

例えば、

  • 入院中なのに「仕事に行ってきた」と話す
  • 面会がなかったのに「家族が来た」と話す
  • 実際と違う退院日を話す

などです。

本人がその場を取りつくろおうとしている場合もありますが、必ずしも意図的とは限りません。

認知症の作話との関係

認知症でも、記憶障害や見当識障害によって、事実とは違う話が出ることがあります。

  • 今いる場所が分からない
  • 時間や日付が分からない
  • 最近の出来事を覚えていない
  • 過去の記憶と現在が混ざる

などです。

 

高次脳機能障害の作話と認知症で見られる作話は、背景が異なる場合がありますが、生活上は似て見えることもあります。


ここで大切なのは、

「これは高次脳機能障害だから」
「これは認知症だから」

と家族だけで決めつけないことです。

気になる場合は、医師や専門職に相談することが大切です。

家族はどう接すればよいか

作話がある時、まず大切なのは、強く責めないことです。

もちろん、事実確認が必要な場面はあります。

薬を飲んだか。  
外出したか。  
誰かが来たか。  
お金のやり取りがあったか。

こうした安全や生活に関わることは確認が必要です。

 

しかし、日常会話の中で毎回強く訂正すると、本人も家族も疲れてしまいます。

そして、作話は本人が「そうだ」と確信していることが多く、周囲から「ちがう」と指摘されても受け入れられないこともしばしば見られます。

 

接し方の例としては、

  • まず否定せず受け止める
  • 必要な事実だけ静かに確認する
  • 話題を切り替える
  • メモや写真で確認できるようにする
  • 安全面に関わる内容は家族や支援者で共有する

などがあります。

まとめ

作話とは、事実とは異なる話を本人が本当のことのように話す状態です。

嘘をついているように見えることがありますが、意図的な嘘とは限りません。

本人の中では、記憶の穴を埋めるように話がつながっている場合があります。

 

大切なのは、

  • 頭ごなしに否定しない
  • 安全面に関わることは確認する
  • 本人が不安にならない伝え方を考える
  • 家族だけで抱え込まない

ことです。

 

作話は、ご家族にとっても混乱しやすい症状です。

「困らせている」のではなく、  
「記憶や状況のつながりが難しくなっているのかもしれない」

という視点を持つことが、関わり方の第一歩になります。

 

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