吸引が必要なお父さんと、外出できますか?——命を守る“電源”の話
2026/03/20
吸引が必要なお父さんと、外出できますか?
命を守る“電源”の話
はじめに
痰の吸引が必要なご家族がいる方へ。「外出させてあげたいけど、何かあったら…」と、外出をためらっていませんか?
痰が多く出る患者様の場合、痰が喉に詰まると、呼吸が苦しくなってしまうことがあります。
そのため、病院ではそのため病院では、口や鼻からチューブを入れて
「ジュッ…」と痰を吸い取る処置を行います。
この機械を 吸引器(サクション) と言います。
外出する際にはこの処置を病院の外でも必要になることがあります。
吸引が必要な方の外出はできる?
私たちが準備している“電源”の話
病院への通院以外で、ちょっとした外出や旅行を考えたとき、こんな不安が頭をよぎることはないでしょうか。
「移動中に痰が詰まったら、どうしよう」
「吸引器を持って外に出るなんて、できるの?」
「何かあってからでは遅い」
その不安は、決して大げさではありません。
でも、だからといって「外出は無理」と諦める必要もないのです。
今日は、実際にルピネが経験した出来事をもとに、吸引が必要な方の外出に欠かせない「ある準備」についてお話しします。
吸引は、病院の中だけの処置ではない
痰の吸引とは、喉や気道に溜まった痰をチューブで吸い取る処置のことです。痰が溜まったまま放置すると呼吸が苦しくなるため、必要なタイミングで行わなければなりません。
そして、そのタイミングは——病院の外でも、やってきます。
駅のホームで電車を待っているとき。
移動中の車内で。
宿泊先のホテルで。
「外にいるから、今は我慢して」とはいかないのです。
そのため、吸引が必要な方が外出するときは、ポータブル吸引器という医療機器を持参します。
ここまでは、実際に経験されたご家族なら「知っている」話かもしれません。
問題は、その先にあります。
多目的室に入った瞬間、コンセントがなかった
以前、ルピネで函館から埼玉の病院への転院をお手伝いしたときのことです。
移動手段は新幹線。
車いすのまま乗れる多目的室を予約する際に、JRへコンセントの有無を確認しました。
返答は「コンセントがあるかどうかは、わかりません」というものでした。
当日、フルリクライニング対応の大型車いすで多目的室に入ると——
そこにはコンセントがありませんでした。
車掌さんは親切に「隣の車両に移動すれば使えます」と教えてくれました。
しかし現実には、走行中に大型車いすを隣の車両まで移動させることは、簡単ではありません。また、ほかの乗客が多い車内で吸引処置を行うことも、ご利用者さまの尊厳を考えると避けたい状況です。
もしそこで吸引器が動かせなかったら——。
それは命に直結する問題になりかねない場面でした。
「ポータブル電源を持てば解決」に潜む盲点
こうした事態に備えて、ルピネではポータブル電源を必ず持参しています。
コンセントがない場所でも、医療機器を動かせるようにするためです。
ただし、ここに多くの方が気づいていない重要なポイントがあります。
ポータブル電源なら、何でもいいわけではありません。
私たちが家庭のコンセントから使っている電気は、「正弦波」と呼ばれる非常に安定した波形の電気です。医療機器はこの電気を前提に設計されています。
ところが、市販されている安価なポータブル電源の中には、この波形とは異なる種類の電気を出すものがあります。そういった電源で医療機器を動かすと、正常に動作しなかったり、機器に負担をかけて故障の原因になったりする可能性があるのです。
移動中に吸引器が突然動かなくなる——考えたくない事態ですが、電源の選び方を誤ると、それが現実になりかねません。
ルピネでは、医療機器に対応した正弦波出力のポータブル電源を選定し、看護師が機器の状態を管理しながらお付き添いしています。
見えないところの準備が、安心をつくる
吸引が必要な方の外出付き添いは、ただ隣にいるだけではありません。
どの交通機関を使うか。
コンセントはあるか。
なければどう対応するか。
万が一のときの手順は——。
出発前から、こうした見えない準備を積み重ねています。
「外に出たい」という気持ちは、吸引が必要であっても諦める必要はありません。
準備と専門知識があれば、叶えられることがあります。
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ちょい旅サポート ルピネ
住所 : 北海道北斗市向野1丁目1ー9
電話番号 : 0138-85-8165
介護が必要な方の外出をサポート
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