【同じ病気でやることが異なる理由】セラピストの頭の中 その1【リハビリ】

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【同じ病気でやることが異なる理由】セラピストの頭の中 その1【リハビリ】

はじめに

これからのお話は一部フィクションを交えますが、私の体験談です。

 

私は腰椎圧迫骨折で入院中の榎本さん(仮名)の担当セラピストでした。

ある日のリハビリでこんな会話がありました。

 

「向こうでリハビリしている人いるでしょ!

あの人、私と同じ病室なのよ。

私のいる部屋の4人みんな、同じ背骨の骨折なんでしょ?!ふふふ」

 

「それでね。あの人達とは前の病棟(急性期病棟)でも一緒の部屋だったの。

『ここ(回復期病棟)でも一緒の部屋になれてよかったねー』って話してたのよー」

と楽しそうに話します。

 

どうやら4人とも仲良くなって、
彼女の部屋では会話が弾んでいるようです。

 

急性期病棟と回復期病棟の両方を持っている病院では、入院時に急性期病棟で治療し、
身体状況が安定すると回復期病棟に病棟を移り(転棟)集中的にリハビリすることが多いのです。

 

急性期病棟の相部屋で仲良くなった患者さまの転棟は同志との別れのようであり、
再び同室になったときの喜びもひとしおのようです。

さしずめ、学校のクラス替えのようです。

中には同室の患者さま同士が連絡先を交換して、
退院後も交流を持っていることもあるぐらいです。

 

私は

「それは良かったですね。
でもあんまり居心地よくならないでくださいよー。
退院したくない!って言われたら困っちゃいますからね」

と冗談交じりに笑いながら答えます。

 

唐突に彼女は同室の患者さまの方を見て、ふと真面目な表情を浮かべます。

 

次に私の顔をまじまじと見ながら尋ねられました。

「なんであの人、私と同じ病気なのにリハビリの内容が違うの?」

 

彼女のリハビリの一つに
『立って床に置いてある投げ輪を拾って、自分の背丈より高い位置に引っ掛ける』
という立った状態で下の物を上へと上げるという動作を通し、
バランスをとりながら姿勢を変える練習がありました。

 

そして『あの人』と言われた同室の患者さまは、まだ立つリハビリはなく、
寝たまま行うものと座って行うリハビリだけでした。

 

どうやら彼女の部屋ではリハビリの訓練内容が話題になっていたようで、
それぞれが違うことをしていることに疑問を持ったようでした。

 

 

これにはしっかりとした理由があるのですが、
一言で説明するには少し難しい質問です。

 

なぜならその理由が多岐にわたるからです。

今回はその理由をできるだけわかりやすく説明したいと思います。

 

リハビリ

 

 

同じ病気・怪我なのにリハビリ内容が違うのはゴールが違うから

同じ病気・怪我なのに、患者さまによってリハビリでやることが違うのは
基本的に患者さまそれぞれのゴールが違うからです。

 

ゴール?

 

サッカーではありません。

私たち医療スタッフは、それぞれの患者さまに
ゴールというものを考えて設定しています。

患者様の「病気・怪我と体の具合」「ご本人の希望」「ご家族の希望」
「退院先の環境・生活状況」を総合的に考え、
その方が「退院時はこのぐらいの状態になる」とか「◯◯ができるようになる」
という目標を立てます。

これをゴール(到達目標)といいます。

 

もしリハビリが順調に進んで退院前にこのゴールが達成したら、早めに退院となったり、
もう1段難しいゴールを再設定してリハビリを続けることになります。

 

 

 

ゴールはどのように設定しているの?

日本の制度によって病院には入院期限が設けられています。(一部の疾患・一部の病棟を除く)

この後詳しく説明しますが、患者さまの体の状態や栄養状態などによっては、
残念ながらその期限内に元の能力を取り戻せないこともあります。

 

だから効率よくリハビリを提供し、可能な限り良い状態で退院できるよう
医療チーム全体でゴールを設定し共有します。

たくさんあるとお話したゴールの設定のための要因を大きく分けて5つあげてみます。

 

要因1:患者さまの病気・怪我の状況や痛みの程度・回復状況

人によって同じ部分の骨折でも、骨折形状が違ったり痛みの程度が違ったりします。
個人の栄養状態の違いも回復スピードに影響します。
中には医者から「これはやってはだめ(禁忌)」という指示もあります。

体の状態の良い方は積極的なリハビリで早期の能力向上が期待できます。

そうではない方は、体に合わせた低負荷なリハビリから
徐々にレベルアップしていきます。

 

 

【同じ病気でやることが異なる理由】セラピストの頭の中 その2【リハビリ】」へ続く

 

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