【簡単】介助の基本『椅子から立ち上がれなくなる魔法』をかけてみよう 後編【在宅介護】
こんにちは。ちょい旅サポートルピネの看護師です。
このブログは同タイトル前編の続きになります。
前編をご覧になっていない方はそちらからお読みいただくと、
なんでこんなことになっているのかお分かりいただけると思います。
介助の基本『椅子から立ち上がれなくなる魔法』をかけてみよう 前編
4 結果
実験お疲れ様です。
きっとやってみていただけたと思います。
立ちあがりの介助にはあんなに力を使ったはずなのに、
指1本で椅子から立ち上 がれなくなりましたね。
指1本ではありますが、それにはいくつもの理由があります。
それでは、この実験からわかることをお伝えします。
(ここで悲しいお知らせです。
あなたの指に魔法が宿ったわけではありません。)
ポイント①
人は真上に立ち上がれない
それでは観察者の方の出番です。
魔法をかけられた方は、どんな動きをしていましたか?
大体の方は、椅子の手すりなどをつかみ、
真上に体を延び上がらせるように
立とうとしていたと思います。
しかし、それができずに
しりもちをつくように椅子に戻っていたのでは
ないですか。
人が自然に(つまり楽に)立ち上がる時には真上ではなく、
上半身を前傾⇒斜め上⇒まっすぐ上に
向かって弧を描くように立ち上がります。
そのため、魔法使いがおでこに指をあてたり、近くに立ち
『弧を描く動き』を阻止しただけで立てなくなったのです。
【確認してみましょう】
椅子に座っていつものように立ち上がりながら
自分の頭の位置を見てみてください。
少しゆっくり立つと確認しやすいです。
その時に「膝を突き合わせるくらいに近くに介助者が立ったら」
ということも合わせてイメージしてみてください。
※イメージが難しい場合
膝が当たるくらいまで、椅子の位置を壁に近づけてから試してみてください。
この弧を描く動きを知っているか、
介助に活かせるかどうかが1番大事じゃないかなと思います。
実際の介助の場面では
赤ちゃんを抱きあげるように真上に引き上げるのではなく、
介助される方が弧を描けるように自分も動きましょう。
抱えるように介助する場合には、
弧を描けるように
自分が一歩後ろに下がれるようなスペースも必要です。
そしてその時もう1つ大事なのは魔法の言葉。
「立つんだ!」
という意識を持ってもらうように、声をかけることもお忘れなく。
「もう立てない」の逆をやりましょう。
ポイント②
深く座ると立ち上がりにくい
深く座ると立ち上がりにくいというのは
経験として知っているかもしれません。
しかし、介助をするとなると一生懸命になりすぎて
そんなこと頭から抜けてしまいますよね。
立つ前段階として、浅く座れるように声掛けしてずれてもらう。
もしくはおしりを少し椅子の前の方にずらす介助をします。
座る姿勢が安定していない方には、片手で支えながら
ゆっくりおしりの位置をずらすようにしてください。
介助する前に浅く座るようにすることができるかどうかで、
介助する人・してもらう人ともに楽さは格段に違います。
ポイント③
椅子の高さは座った時に膝が90度、
足の裏がしっかり床につくものを選ぶ
フカフカの低いソファーに座り、
「立ちにくいな」と感じた経験はあるんじゃないでしょうか。
今回使った椅子は、立ち上がりやすい椅子を用意してもらいました。
足を下した時の膝の角度、足の裏が床にしっかりつくこと
これが大事です。
車いすやベッドは高さを変えられるものもあります。
一度変えるとしばらくお互いに楽ができると思います。
※さらに、ベッドから車いす、車いすからベッドなどに移るときには、
移る前の座面が移った後の座面より少し高い方が楽な場合があります。
文章で説明するのは難しいですね。
わかりにくくてすみません。
実験をしあった友人たちで3つのポイントを意識してやってみてください。
少し、ヒントになってくれていると嬉しいです。
「できたー」の積み重ねは自信につながります。
すべて介助すると楽だなと思う反面
「できたー」の機会が失われるのかもしれません。
お互いに「できた。やったー」と喜びあえると楽しいですよね。
- じゃあ起こし方は?
- おしりはどうやってずらすの?
- うちのお母さんにはどうすればいいの?
- これでいいの?
とご質問があると思います。
「ちょい旅サポート ルピネ」はリハビリスタッフも在籍。
介助方法のご相談も承っております。
どうしても文章ではうまく伝わりにくいですし
あなたに合った、あなたの大切な方に合った介助方法を
文章でお伝えするには限度があります。
自分のやり方を見てもらう、
実際にプロの介助のやり方を見てみるということが
一番わかりやすい方法だと思います。
お困りのことがありましたら、
遠慮なく「ちょい旅サポート ルピネ」にご相談ください。
今回は、「ちょい旅サポート ルピネ」の看護師が
移乗介助の基本と思っている話をしました。
せっかくやるなら面白く。
適度な緊張感は大切ですが、
自分で考えたり、もっと知りたいと思えるためには
楽しくリラックスが大切だと思います。
みなさんの「できたー」のお手伝いができるよう、
これからも発信していきたいと思います。
ルピネスタッフがお家、施設、企業様に
お伺いし講習会なども行っています。
お気軽にご相談ください。