【生活期】わたしが経験した維持期・慢性期の治療(心不全と合併症)その3【リハビリ】
※こちらの記事は「【回復期】わたしが経験した脳血管障害のリハビリ治療 その2【リハビリ】」の続きです。
ある程度動きが良くなってきたので
今度は旦那さんが購入した
シートアップタイプの福祉車両(助手席が横に飛び出てくる)に乗り移る練習をしました。
シートの高さ調整をするとほぼ一人で乗り移ることができたので
「出かけられそう!」と希望が現実にイメージできるようになってきたようです。
外出につなげる最後のリハビリとして
家屋調査・外出訓練を企画しました。
家屋調査とは
退院後生活ができる自宅環境を提案するために
看護師、リハビリ、医療相談員、ケアマネなどが
患者さまのお家に伺って調査をすることです。
このとき患者さまも一緒に行って家の中を動いてもらうことで、
退院後の生活を想定した動作訓練にもなり
ご家族が退院後の生活をイメージする手助けにもなります。
障害者病棟の場合
積極的な家屋調査を行うことは少ないかもしれませんが
今回は医師、ご家族、そしてご本人の許可も得られたので特別に行くことにしました。
看護師は「おーッ!いってらっしゃ~い!」と手を振り
旅行に出かける家族に声をかける勢いです。
家のトイレを実際に使えるかわからなかったので
念の為トイレは出発直前に済ませてもらいました。
車椅子のままではありますが
数年ぶりの自宅に上がって上田さん夫婦の話は尽きませんでした。
旦那さんも彼女もとても楽しそうでした。
車への乗り降りは旦那さまの介助だけで可能でしたので
その後は少しずつ夫婦だけで外出をするようになりました。
外出する度に僕が作ったスタンプカードに行き先を書いてスタンプを押してあげます。
スタンプカードなんて
ラジオ体操のスタンプカードの様で幼稚に感じられるかもしれませんが
上田さんが外出できたことを視覚的に確認できるようにして
達成感を増幅させたいと考えたのです(*´з`)
「先週はスーパーに行ってきたよ!すっごい久しぶりで懐かしかった!」
「スーパー行ってきたんですね。はいスタンプ押しますねー」
「今度は、本屋さんに行きたいんだー」
すごくイキイキしていました。
近くの小さなスーパーでこんなに目を輝かせるなんて
正直わたしの想定を上回っていました。
私たちにとっては当たり前過ぎて
感激することもない日常の近所のスーパー。
それをこんなに感激できるほど
この人はいろんなことを我慢していたのだろう。
彼女が市内の小旅行だけでなく
長距離の旅行にも行けるようになればいいのにな。
上田さんが喜ぶ顔を見て
旦那さんも「ちょっと疲れたよな」と言いつつ
当の上田さん以上に笑顔だったのを今でも覚えています。
この経験も
わたしが「ちょい旅サポート ルピネ」を始めることになった理由のひとつになっています。
ルピネでは主に「生活期・終末期」の方が
やりたいことを実現できるために
看護師・リハビリスタッフがサポートすることを目的にしています。
家族では不安、あるいは、一人では難しいような旅行や外出はもちろん、
転院や引っ越しや一時帰宅の付き添いなどもご依頼を承っております。
介護保険外サービスですので柔軟なサポートができます。
お気軽にお問い合わせください。